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性病の治療薬コラム「クラミジア感染症の流行」

2014.07.17

ここでは最近、10代の若者の間で爆発的に増えているといわれるクラミジア感染症に焦点を当ててみます。驚くべき感染者数になっています。

クラミジア感染症は、初期はあまり症状が出ないが、病気が進むと性器の炎症が進行していきます。重症になると、卵管が癒着したり、腹膜炎をおこしたりしますが、長期にわたり病気の存在そのものに気づかないこともあるので厄介です。

不妊症、流早産や母子感染を引きおこす原因にもなります。
クラミジア患者さんたちの中には、妊娠を希望して産婦人科の診察を受けて、初めて感染に気付いたケースも少なからずあるようです。炎症によって卵管が癒着して、それが不妊の原因になっていたのですが、感染を自覚するまで数ヶ月から数年の歳月が流れています。

さて、このクラミジアにどれくらいの数の女性が感染しているのでしょうか?
1998年から2000年までの期間に、財団法人・性の健康医学財団の熊本悦明会頭を班長とするグループが、全国のモデル8県における性感染症の実態を調査しました。

そうすると調査の結果、危機的な事実が明らかになりました。
10万人の女性人口当たり1年間に何人がクラミジアに感染しているかを年齢階級別に示しています。

15歳から19歳の年齢層でみると、1998年は680人。99年は862人。そして2000年になると968人に増加しています。

20歳から24歳の年齢層になると、98年は971人。99年は1271人。そして2000年では1256人です。

さらに25歳から29歳の年齢層をみると、98年は630人。99年は791人。2000年では794人です。
男性のクラミジア感染については、女性に比べてはるかに少ない傾向にあります。それでも20代では、人口10万人当たり400人を超えています。

次にクラミジアの感染者数が年度別にどう変化してきたかをみてみましょう。全年齢層の平均値で、感染率の低い中高年層の数字が全体の数値を引き下げていますが、若い世代を中心に感染者が増えて全体の数字を押し上げていく傾向です。

クラミジア感染症の急増の原因は性行動の活発化であり、それに伴って、人工中絶、流早産、子宮頸癌の若年化がおこっているとされています。

特に注目してほしいのは、女性のクラミジア感染者数です。右肩上がりで、そのことを頭に入れて、それぞれ中絶率と低体重児の出生率を、人口動態統計の数字をもとにして割り出すと、一見して明らかなのは、年々増加するクラミジア感染者数に平行するように、20歳未満の中絶率と2500グラム未満の低体重児の出生数が増えていることです。

特に20歳未満の人工中絶の件数は、全体のクラミジア感染者数が描くラインとほぼ同じ形になっています。
具体的な数字をみてみると、たとえば15歳から19歳における年齢層の中絶の件数は、1000人に対し13人という割合です。

つまり約80人に1人ぐらいの割合で中絶を経験していることになります。その中の高校生の占める割合は明らかではないですが、高校のクラスが男女それぞれ20名ずつで構成されていると仮定すると、4クラスに一人の割合になりますね。これは大変なことです。

1999年に財団法人・日本性教育協会が実施した「青少年の性行動全国調査」によると、セックス経験率は低年齢化の傾向が顕著に現れています。

たとえば高校男子の場合、1974年には10.2%だったが99年には、26.5%になっています。高校女子の場合は、さらに変化が著しく、74年には5.5%だったのが、99年には23.7%になっています。

大学生の男子の場合は74年に23.1%だったのがが、99年には62.5%になっています。大学生の女子は、高校女子と同様に大きく変化して、74年の11.0%から99年の50.5%になっています。

また、別の調査によると、1999年の「東京都幼・小・中・高・心障養護学校の性意識・性行動に関する調査報告」では、性交の経験率は93年、96年、99年の順で、男子は高1で15.1%、17.3%、25.0%、高2で、24.0%、25.6%、33.5%、高3で27.3%、28.6%、37.8%です。

女性は高1で9.2%、17.6%、22.1%、高2で18.0%、29.5%、34.8%、高3で22.3%、34.0%、39.0%となって、女性では96年から男子を上回る経験率となっています

一方2002年の東京都の幼稚園、小、中、高、心障性教育研究会調査によると、グラフ7のように高3の初交経験累積率は96年より急に上昇しています。

性行動の低年齢化が進めば、それだけパートナーの数が増えるのは必然といえますね。たとえ不特定多数の相手とセックスするような状況がないと仮定しても、最初に出会った相手のみをパートナーとする確率は、出会いの年齢が若ければ若いほど低くなります。新しい相手ができれば、当然、セックスのパートナーも代わります。

性交の経験がある者のパートナー数別の割合は、たとえばパートナーが3人である人の率は、高校男子で性交経験者の11.5%、高校女子も11.5%、大学生の男子では、12.9%。大学生の女性では、16.9%です。

これらの数値に社会人は含まれていないので、たとえば20~29歳の年齢層を加えての調査によると、1人が1年間に経験するパートナーの数は2.2人から4.7人になります。この中のどこかに性感染症が介入すると、それが全体に広がる可能性も出てきます。

クラミジアの流行現象をみていると、日本はすでにこうした感染拡大のパターンにはまっているのではないかと、懸念せざるを得ないのですね。

念を押すまでもなく、医療関係者の間で不安の対象となっているのは、単にクラミジア患者の急激な増加だけではありません。それよりも懸念材料になっているのは、クラミジア感染の拡大が示すような性感染症への予防対策の乏しい性行動の活発化とクラミジア感染がエイズに感染する確率を非常に高くする2つのことです。

エイズ・ウイルスそのものはそれほど強い感染力をもっているわけではありません。感染者とセックスしても、必ずしも感染するわけではないのです。

ところが、性器に炎症があったり、出血を伴うような激しいセックスをした場合に感染率が高くなります。
エイズが奇病として登場したころには、感染者の大半が男性の同性愛者や麻薬の常習者といわれています。その原因は単純で、同性愛者の場合が、出血を伴う肛門セックスが性行為の中心を占めていたからです。

直腸の内側は単層円柱上皮細胞とよばれる組織になっているのですが、これは比較的もろい細胞で構成されていて、出血もしやすい。肛門セックスによって円柱上皮細胞が剥がれて出血した状況下にエイズ・ウイルスが侵入してくると感染します。

麻薬常習者の場合は、麻薬を注射する習慣があります。当然、エイズ・ウイルスに感染している者が使った注射針を共有した場合、感染します。このようにエイズ感染と血液は深い関係があるのです。

さて、クラミジアに感染すると生殖器が炎症をおこすことはすでに述べましたが、もう少し厳密にいえば、特にリスクを伴うのは子宮頸部です。

この部分の子宮口の周りは、先に述べた円柱上皮細胞でできています。だから炎症をおこすと非常に組織がもろくなり、セックスによって出血したりします。そこにエイズ・ウルスが侵入してくると感染しやすくなるのです。

クラミジアの大流行とエイズ感染の増加が医師たちの間で不安材料の種になっているゆえんです。2010年に日本のエイズウイルス感染者が5万人に達するという推定も、おそらくこうした状況を考慮した結果ではないかと思います。

もちろんクラミジアが不妊症などの原因になるという点も心配の種には違いないですが、エイズ感染の拡大にもつながる要因の一つになります。

セックスをする際は、コンドームを心がけ、セックスを行ったことがある場合には性病検査を一度はしてみましょう。手遅れになる前に。

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